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知っておきたい、成年後見制度
これまであまり耳にしたことがない「成年後見制度」。
判断力が低下した時に権利や財産を保護し支援するためのしくみです。
超高齢化社会が進む今、ぜひ知っておきたい仕組みの一つ。
覚えておくと損はありませんよ。
成年後見制度とは
認知症や病気などで判断能力が不十分なため、財産の侵害を受けたり、人間としての尊厳が失われたりすることがないように、法律面や生活面で支援する仕組みのことです。この制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の二つがあります。
任意後見制度とは
判断能力がある元気な時に、本人が「任意後見人」という支援者を決めておき、判断力が低下し支援が必要になった時から支援を受けることができる制度のこと。いざという時、自分が選んだ人に、希望通りの支援が受けられます。
将来自分が認知症などになってもよりよく生きたい、やすらかに生活したいという方におすすめです。
だれを後見人にできるの?
4割の方が配偶者や子どもなど親族を選ばれます。他は、司法書士・弁護士・社会福祉士などの専門家に依頼します。
任意後見人は何ができるの?
事前に契約した内容に従って支援します。財産に関する事務(不動産の売却・賃貸、金融機関との取引、相続手続など)、入院に際する契約や施設の入所退所手続き、生活費等の各種支払いなどさまざま。相談の上、決めます。
また任意後見に限っては、死亡後の入院費の清算、葬儀、納骨、各種届などの事務に関する契約を結んでいれば、それらの支援を受けることができます。後見開始前の生活のサポートも可能。
法定後見制度とは
「消費者被害にあった」「物忘れが多くお金の管理が不安」など判断力が衰えた時に、本人もしくは配偶者や子などの親族が裁判所に後見人制度を申請。裁判所が、判断力の程度によって「補助人」「保佐人」「成年後見人」を選び、本人に代わり財産の管理をしたり、不利益な契約を後から取り消すことで損害を防いだり回復するなどの支援を行うことです。
法定後見ではどんな人が
後見人に選ばれるの?
多くの場合は本人の親族が選任されますが、家族がいない等の事情があるときは、司法書士などが選任されます。
成年後見制度が必要なとき
考えられるのが、介護施設やサービスを受ける際に、本人が判断したり、必要な契約ができない場合です。後見人の支援があれば、必要な契約を行い、預貯金の管理や費用の支払いをすることができます。最近では、高齢者を狙った悪徳商法が問題になっています。必要のないものを買ってしまった場合でも、後見人(法定後見人のみ)に与えられている「取消権」を使って、契約の取り消しや、すでに支払った代金を取り返すことができます。
他に、①父親が亡くなり、母と子で遺産相続する際、母の判断能力が十分ではないため、遺産分与が決められない、②親の入院費の支払いのため、親の定期預金を解約したいが、親の判断能力が十分ではなく解約できない、などが考えられます。
介護保険や障害者自立支援制度、様々な助成制度、日常生活自立支援事業、そして成年後見制度と、どれも複雑でよくわからないという方が多いのでは。まずは司法書士などの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。